平塚駅近くの寿司屋で昼。カウンターの常連さんたちは熱燗、酎ハイ片手に競輪談義。平日です。マスターの家の近くの銭湯の前のパチンコ屋が改装中とかで「せっかくの休みなのにやることなくて困ったよ」。すかさずおかみさん、「それで2人で昼間っからビールのんじゃって、12本あけちゃったのよ」。
平塚市美術館は長谷川潾二郎の小さな作品が並び静か。土の色、木々の葉先、道筋。言葉もいい。連日同じものを描き続ける様子が日記から。描いて描いて消して描いて、諦めてやめて、でももういちど描いて。近所の子どもが「おじさん絵うまいね」「山下清に負けるな」。
一番人気の「猫」はあのナマコみたいな体のラインはいかにも穏やかだが、真っ白に浮かびあがる口元と、光沢ある毛並みなんか触れれば縞模様がきゅっと動きそうで、眠ってはいるが緊張した毛先や肌が感じられるのだ。