クリスト&ジャンヌ=クロードの「THE GATE」(2005)をなんて幸せなの!と歩くハーブ&ドロシー。夫妻が初めてクリスト&ジャンヌ=クロードのアトリエを訪ねたときにはすでにドローイングは夫妻のキマリを越えていた、だが猫つながりで交流は続き、制作に没頭する二人にN.Y.の様子を週に一度は電話で知らせるなどしていわば物々交換で作品を手に入れる。他の作家が言っていた「あの夫妻はぼくのファミリー・コレクター」「美術界のアイドル」はどの作家も同じ気持ちなのだろう。リチャード・タトルのスケッチブックに描いた作品を得るやりとりなんか作家がお手上げの表情、なにしろ夫妻は作品の全てを見たがり作風の変化を調査するように知りたがる。繰り返すのは「ビューティフル!!」夫は首を前に突き出して作品に食い入るように、妻は背筋を伸ばして作品に見入る。ハーブの表情がときおりノルシュティンのアカーキィをおもいおこさせる。最後、家電量販店で店員をつかまえ家でメモしてきた必要項目を読み上げながらMacを買うドロシーとそばで店内の水槽に見入るハーブ。しばらくして購入したMacを持ち、手をつないで地下鉄の駅に向かう二人。世の中はよろこびで満ちているのだ。