浅川マキさんのことを想う恒例のライブ、今年は『そっと「あの頃を想う」』、新宿PIT INN。渋谷毅(p)、亀渕友香(vo)、金子マリ(vo)、小川美潮(vo)、山木幸三郎(お話とg)、萩原信義(g)、池田洋一郎(g)、富倉安生(b)、小松崎政雄(ds)、安東昇(b)、外山 明(ds)。フライヤーに「暮になると昔話が懐しくて暖かい」奥成達。
渋谷さんが〈マキさんの歌はマキさんが歌うからいいのだ〉と葉書サイズの紙に書いている。生のマキさんを2回か3回しか聞いたことがない私には小川美潮さんの「ふしあわせという名の猫」となんとか(曲名わからない。こっちのほうがもっとよかったのだが)や亀渕友香さんと金子マリさんの「それはスポットライトではない」なんかとてもよかった。「夜が明けたら」にいたっては曲が大好きだからたぶん誰が歌ってもうれしい。それが自分の鼻歌でもね。
渋谷さんは続けてこうも書いている。〈今日はマキさんが歌ってた曲をやるつもりはなかったのに、考えているうちにマキさんの曲ばかりになってしまった〉。
マキさんの曲の多くを作曲した山本幸三郎さんがゲスト。「NHKは当時ニュースのみ。その間を埋めるものを仲間と作るうちに寺山修司がかわいがってくれるようになった/ある日マキさんに突然ゴスペルを歌いたいと言われた、しかしそれがどんなものかわからず手探りで/マキさんは最初から本気。呼吸が深く抜群独特のリズム感、それを考慮して曲を作っていた」
TBSの番組で仕事していた23、4歳頃の渋谷さんは編曲がまだうまくできなくて「あとはお願いします」と山本さんに何度も頼んでしまうなど、〈山本幸三郎さんにはその昔本当にお世話になった〉。渋谷さん、「今日は僕が一番年上じゃない」とうれしそう。