『高橋悠治、渋谷毅による「PLAYS 北園克衛・ERIK SATIE」』ブログに、いつもよそよそしく気むづかしく、しかも心がリキユウルのような金澤一志による
「ヌボテと抒情」をアップしました。
なにか重要な決意をするときに発表した北園克衛の甘〜い作品群とエッセイ「一滴の林檎」(1946)に注目し、抒情(ロマンチシズム)こそが北園の芯棒であると考えていること、サティの「新しさのエロス」にあこがれた北園とラヴェルの共通点のこと。さらに武田明倫による高橋悠治評をひきながら、高橋の持つ「叙情的なシステム」が北園の存在そのものかつ日本語の「重さ」を取り込み得たこと。
金澤さんはエッセイにもあるように、西武・セゾン文化のまんなかで「新しさのエロス」をふりまく側にありました。自身もヌボテと抒情を愛し、その関心事にこれからも忠誠を尽くし続けるのでしょう。金澤さんの、評論家としてのお仕事とはまた別のこうした詩についての文章を読むと、いつもきゅんとしてロマンチックだと感じるが、「ロマンチック」なる語感に違和感がありました。でもそれはまちがいではないことも、わかった。
「抒情的であるとは、外の世界に関心をもつことができる、ということだ」
悠治さんの言葉です。