山崎さんの『手で作る本』、いいですねぇ。まず本として見て楽しく美しく(写真も)、登場する見本がセンスよくて作りたくなる、手順説明が簡潔でわかりやすい(イラストも)、そして著者の淡々とした語り口。一折中とじ、ステッチ中とじ、和本、交差式製本、ハードカバー、縦長のレシピノート、リボンリンプ製本、コプティック製本、革表紙のダイアリー、ロングステッチの革ノート、アルミ板の表紙のダイアリー、葉書の折帖、封筒つづりの本、全13タイプの作り方が掲載されている。手作り製本してみたいと思ったらまずこの一冊を手にしてまちがいなし。そしてきっと誰もがみごとに仕上げられることでしょう。
山崎さんは製本家としての活動のいっぽうで「手で作る本の教室」を主宰しており、さまざまな方の要望希望を受けてかたちにしてきた方です。この本はその時々の緻密な実験と記録が元になっていて、とにかくコンパクトに明解にまとめられたのが最大の成果と感じます。道具の写真や説明もまたいいんだ。厳密過ぎず、きどらず。