ミュゼ浜口陽三へ。水天宮駅の反水天宮方面から出て高速押し迫る窮屈な場所だが、紫外線を満身に浴びて仰ぎ見る絶好の写真日和です。
紀州から銚子に渡った濱口儀兵衛がヤマサ醤油を創業したのは1645年、その10代目の三男として生まれた陽三が、パリ、サンフランシスコでの海外生活を終えて戻ったのは1996年。その後、ヤマサ醤油の倉庫を鈴木エドワードが改築して現在のギャラリーに。一階正面奥の展示はガラス面に通りが反射して見にくい。
サンフランシスコのアトリエを訪ねた日テレの番組(90年頃)が流れている。たくさんのスイカのオブジェに囲まれた浜口がアナウンサーの質問をはぐらかす。油絵はピアノのようだ、今は気ままに楽しんでいると、赤いカモメを描いている。黒と白の猫。動物に好かれるんだ、というわりには呼んでも猫はやってこない。尻尾をひっぱりあげてカメラに向かって笑う。アナウンサーがものすごく顔を近付けてはしゃいで話すのが可笑しい。名前はわからないが今も現役で、落ちついてニュースをよむひとだ。
地下に飾られたカラーメゾチントによる作品の光り輝く黄や赤に吸い込まれて近づくと、そのまま背景の漆黒にザワザワと取り囲まれて静かで穏やかである。ガラスを割って入り込んでしまいたかった。葉書もなにも買う気がしない。
南の作品は印刷にも向く。動物と植物だけの葉書をいくつか買う。
稲庭うどんを食べ、増水した隅田川沿いを歩き、安田庭園、両国公会堂、
東京都慰霊堂(写真)、復興記念館など。
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ヤマサ醤油の歴史〜「稲むらの火」のモデルは7代目
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江戸博界隈