ヤリタミサコさんの2冊の評論集の装丁をしました。
『ビートとアートとエトセトラ——ギンズバーグ、北園克衛、カミングズの詩を感覚する 』と『詩を呼吸する——現代詩・フルクサス・アヴァンギャルド』、いずれも
水声社刊。
「高橋昭八郎作品をカバーに」というヤリタさんからの注文に歓喜するも、まもなく長く行き詰まるが、
昭八郎さんの作品のなかでも格別に好きなひとつを棚から取り出して愛でるうちに構想が沸いた。だが実現には程遠いように思えた。結果、様々な立場の皆様に了解いただいて、構想通りにできました。今でも信じられません。とはいえその全容は、帯をはずした写真を載せる
ウェブ書店のサイトではわからないし、路面書店でも見ることはできない。
1冊につき4種類の、販売促進の手立てにはならない帯を作りました。日本の出版事情を完全無視した驚きの版元です。複数の書店で見ると、やはり一書店一種類帯、新宿でいうと、紀伊国屋よりジュンク堂のほうが派手な帯版。実はまだ私もその全てを見ていない。版元は取次との交渉をどうクリアしたのでしょう。たかが帯を、全8種類(両面)刷った印刷屋さんはさぞやっかいだったでしょう。とりあえず見本でいただいた各2種類の帯をかけたヤリタさん本がこれ。みなさまの近くの書店では、どの帯柄が並んでいますか。これが私なりにヤリタミサコの「詩」を形で受けたリリカルな態度であります。楽しかった。とても。