毎日歩く道に、琵琶に三味線、琴の店、がある。作ってるな修理してるなはわかるけど、どの部分を作っているのか修理しているのかはわからない。
数日前店先に、象牙の破片の山と、「ご自由にお持ち下さい」の札。軽く物色して、昼、改めてもうでる。細工のあとの残りだから大きなものはないが、鉛筆で型を書き込んだものや最後のシメで薄くスライスしたもの、質がそぐわなかったのか表面がそのまま残ったものなどなど雑多なタイプがざくざく。あのひとならこれ、このひとならこういうヤツが好きそうねなど考えます。時間も経って、店のおじさんもご飯を食べて戻ってきました。ずいぶん粘るねーと言いながら、琴の弦の袋でしょうか、これに入れたら?と下さいます。
ああもうすでに持参袋のなかに恥ずかしいほどたっぷり……。でもおかげでいろんな話を聞くことができました。聞きたいわ聞きたいわと毎朝どれだけ思っていたことでしょう。じれったいがこの日がその日だったのだな。