北園克衛『記号説1924-1941』
思潮社
構成:金澤一志
↑金澤さんのツイッターから
昭和を駆け抜けたモダニズム詩集
きらびやかに展開するモダニズム文化のなかで北園克衛が萌芽する。未紹介だった関東大震災後に紡がれた最初期の作品を含め、発表時の組版を忠実に再構成した「図形説」全11篇ほかを収録。『白のアルバム』『円錐詩集』『夏の手紙』など戦前期の代表詩集からそのエッセンスを一冊に収める前衛詩集・戦前篇。(
思潮社ウェブサイトより)
前衛の憂鬱 金澤一志
前衛は前衛として生まれてくるのではなく、どこかの時点で転生するものだ。……二十世紀少年はいつも両腕に進取と伝統ふたつの錘を提げておたがいを戒めるバランサーとしていたことも忘れるわけにはいかない。「橋」や「土用」の情景は、驚くべきことにいまでもそのまま故郷に残って釣り合う未来を捜している。……やがて戦火はおさまり、官憲に目をつけられた詩人は獄死することなく生き延び、再び自由にペンを持つ日が来ることを我々は知っている。しかし当時の北園克衛は知らない。(栞より)