『サラゴサの写本』(1965 監督:
ヴォイチェフ・イエジー・ハス 音楽:ペンデレツキ デジタル・リマスター版)
ブスケロスが教えたイネスの部屋が間違っていてソアレスが落っこちて……入れ子に鏡、バラバラに見えた話がここからいっきに結びついていき『千夜一夜物語』よりは『真景累ヶ淵』に重なる。真実を知らなくても言葉にすることができる、例えば無限大……のような幾何学者ベラスケスのセリフが思い出せなくて気になるー、
工藤幸雄訳、ヤン・ポトツキ『サラゴサ手稿』(昭和55 国書刊行会 造本:杉浦康平+鈴木一誌 本文挿画:渡辺冨士雄 本文地図:志麻利希)。原作66日までの中、14日までのため見つけられず。〈作者の生前発表された部分が、13日どまりにすぎないので、この「日本語訳」はほぼそれに則った……66日の物語は、まだいちども原作のフランス語では出版されぬままであり、筆稿の一部が失われた今では、もはやそれは望めない〉〈『サラゴサの手稿』の初版が1804-5年、ペテルブルグで出た……第一冊の印刷部数は100部であるが、この方には標題を印刷した表紙がなく、手書きの文字で……逐語訳すれば「サラゴサにて発見された手稿」と記されていた。印刷は、ワルシャワ時代に似てペテルブルグに設けたヤンの自家用印刷所で行われた。……いわばポトツキは今日の反体制の出版物、地下出版の先祖であったことになる。そのためか作品は作者の名をのせないまま出版された。〉(訳者によるあとがきより)