よみがえる説教祭文の夜「第一夜 えっ、魔界転生?」
”旅するカタリ” 渡部八太夫
ギャラリービブリオ(東京・国立)
9月9日
説教祭文「山椒太夫」宇和竹恨之段
監修:姜信子
今様祭文「件」
原作:内田百閒
脚色:姜信子
幻燈作画:屋敷妙子
太鼓:平塚魚八
法螺貝と錫杖とともに八太夫さん入場。姜さんがごく簡単に説教祭文のこと、八太夫さんのこと、直江津の乳母獄神社のこと、鷗外の山椒太夫との違い、ものがたりの”ねつ造”のこと、そして今夜はまず宇和竹がどう描かれているかをどうぞ、と。背景に映し出された波の映像に直江津の海辺や佐渡行きの荒波や能登が思い出されたからなのか、ひょうひょうインチキを装う八太夫さんの語りと三味線のうねりに、波のはざまに光る大蛇の目や赤い舌が見えてグッときてしまう。10月の第二夜、11月の第三夜も待ち遠しい。あらためて山椒太夫とはどんな話だったかな。鷗外版は洋服におけるファストファッションみたいなものか。もちろんおかげで今日につながったのだけれど。
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地の声 天の音 かたりもの八太夫会・
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