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Fuuroで
「冬の図書館」展。版画家による本の仕立て。
〈とりわけ版画家はその資質として本を考える。あるいは本を夢みる。版のためにはたらく版画家の手は自らの時間が綴じ込まれた本を企てる。なぜならその手は版に触れ、紙に触れながら、総体としての本に至るように訓練されているからだ。〉企画立案:柄澤齋 協力:岩切裕子・WATERMARK arts & crafts
柄澤齋さんの『方丈記』、藤井敬子さんの『夜のガスパール』、岩切裕子さんの『果樹園』などすばらしい。釘付けは田中彰さんの『イギリス海岸』。冊子は一枚革を表紙にした麻の葉綴じ、細やかな模様や画は電熱ペンみたいなもので描いているのでしょうか? 本文は文字と絵を木版で刷られていて30ページくらい。隣にマッチ箱×2くらいの蛇腹折り小冊子、縮小コピーではないのですよね、これも「イギリス海岸」? 本文の一部を額装した作品が3点、それぞれ「柱」「トンボ」「くるみ」の立体物あり。これらも描いて刷られており、それぞれのシルエットでマチ付き袋になっている。説明にある「コーヒーパペット」ってこれのことかな? コーヒー豆がクッションになっている? 他に賢治の「農民芸術概論要綱」。釘付けの解決がここで得られなくてもどかしい。出てすぐ喫茶店に入ってケータイに教わる。田中彰さんにはきちんと会う。おかげで食べられた温玉かけドライカレーがうまい。〈総体としての本〉なんてぼんやり言い続けるのをやめたい。
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田中彰・Eureka Project/「
意が/をめぐる冒険」田中彰×澤宏司 司会・構成 矢木奏
・岐阜県美術館/
アーティスト・イン・ミュージアム AiM 2017 田中彰・長良川おんぱく/
アーティストとつくる木版画体験 コーヒー豆のお土産つき