「波」2018.7
104p)
猛老猫の逆襲
山下洋輔旅日記 28
はんちゃら ふんじょらぎばさ けぺそんて
へまちょぎっちょれ よじれまいおす
山章太
1976年、ヨーロッパ・モントルージャズ祭にドラムの小山彰太さんが初参加、評論家の池上比沙之さんや写真家の市川幸雄さんら総勢10人が日本から来ていたそうだ。池上さんがかねてから企んでいたらしいブランがさく裂してホテルの内庭で冷し中華パーティ、それに感激して小山さんが詠んだのが冒頭の歌、とのこと。
エッセイを書くにあたり改めて調査した結果、1970年代に結成された「全日本冷し中華愛好会」、最初のころはパンフレット状の論文集が不定期に出版されていたのがのちに2冊の『空飛ぶ冷し中華』という本になり、その1冊目にこの短歌が収録されていることが判明した、とある。
〈この歌自体が鮮烈で、いつのまにか冷し中華の創始者は「ヨジレマイオス一世」であろうという妄想もおれの中で定着しつつある〉
〈一方、筒井康隆氏は早い時期に「ラメンポップ、ラメンステップ、ラメンジャンプの三つ児トリオ説」を出しており、冷し中華をめぐる思考実験は深く広くきりがない〉