二川の色濃い街並を横目に、豊橋まで。何年ぶりか。前回はパッチワークの取材だったが、駅があまりにもきれいで思い出す隙がない。えらく整ったバスのロータリー側に出たら、当時泊まった古いビジネスホテルがあってとたんに蘇る。路面電車に百貨店。そうそう、この湿度の高い感じ。しばしそのしっとりを満喫するも、まもなくの郊外にいわゆる「郊外」が拡がり我にかえる。だがタンク都市である新たな発見もあるよ。
さて今夕、日暮れに間に合うか。このたびのリベンジぶらりのきっかけはまさにこの路線で、豊橋から渥美半島のさきっぽに向かっている。同じ路線同じ時間帯のはずがなにか違う。
渥美線なる電車があること、半島の中心地の田原市とはみごとな街であることなど、また幾重のリベンジぶらり旅の予定が埋まる。
伊良湖の岬に着いた。静かだ。前回はこの地よりその先ばかりに焦がれた。地形が影絵のように反転して見える。時が経った。