出光美術館に
センガイ展。いいねえ。わたし無粋ですからおよそサクヒンを欲しいとは思わないがああこの一幅がうちにあったらいいねと幾度思ったことでしょう。年表を見ると、ここで見た作品のほとんどは70歳を越してからのもの。そりゃそうだろうと思ったり驚いたり。博多・聖福寺を僧侶として守り、地域のひとに愛された彼は画家ではない。檀家とのダジャレにのせてさらさらと描き渡したものがその魅力ゆえ今に残りこうしていくたびも愛されているということか。初めてこの人の名を知ったのは「○△□」であったが改めてみると印象に残らない。それよりも言葉と絵の関係があまりにオヤジギャクみたいで敬遠していたものにあざとさを覚えなくなったのは面白いことだ。拾い集めた石も描く。
を月様/幾ツ/十三七ツ 「指月布袋画賛」
気に入らぬ風も/あろふに/柳哉 「堪忍柳画賛」
これくふて/茶のめ 「一円相画賛」
図録もいい。だが作品の地の紙の色はここまで茶色に出てしまうものなのか。どういう事情によるのだろう。編集・発行:出光美術館、デザイン:大向務+坂本佳子+市川真莉子、制作・印刷:便利堂
帰りは二重橋まで。松がことさらきれいだ。一本一本に、きっと名前がついてるな。