季刊「びーぐる 詩の海へ」第2号が「モダニズム・異端の系譜 北園克衛から藤富保男へ」を特集。
インタビュー 藤富保男さんに聞く——モダニズムと北園克衛のことなど
論考 北園克衛の仕事——現代詩に果たした役割
金澤一志/無人のPM
高橋昭八郎/詩の装置——北園克衛
私にとっての北園克衛
山口信博/私にとっての北園克衛
新井豊美/北園克衛と左川ちか
八木忠栄/克衛俳句寸感
坂東里美/藤富保男 経由 北園克衛
北園克衛から藤富保男へ
城戸朱理/曲線の幾何学——北園克衛と藤富保男
奥成達/北園克衛と藤富保男を結ぶもの
藤富保男の仕事——現代詩に果たしてきた役割
國峰照子/反骨のfについての断片
高階杞一/言葉に翼を与え
視覚詩 Visual Poetry 藤富保男
北園克衛 作品抄(藤富保男・選) 略年譜・著作一覧
藤富保男 作品抄(高階杞一・選)略年譜・著作一覧 瞬画
参考図版 北園克衛から藤富保男へ(作成・高階杞一)
*以上もくじより特集部分のみ
なかで奥成さんが藤富さんの唯一のエッセイ集『パンツの神様』(TBデザイン研究所 1978 表紙イラストは北園克衛)の
こと。引用された一部を以下に。
マホガニイの家具に、リキュウルの酒盃があってメナンドロス風に髪をたなびかせている詩人というと、どんな人だか興味が湧かないはずはない。1951年、戦後6年目である。大森の馬込の坂をのぼって、ぼくが北園さんの家を訪れたのは、この頃であった。するとガタピシの戸の奥に傾いた屋根だか、軒だかのある家があって、どうもマホガニイだとか、葡萄いろなんていうシロモノではない玄関に主人はでて来られた。
そしてぼくはこの頃から、この神に囚われてしまった。「VOU」は大判の35号が出るころだった。けれど、ぼくは「VOU」にはついに所属することなく、いつも外野スタンドにいた。……